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心が動いたとき51

「父親」

自分の父親は正直、怖い。
頻繁に怒鳴ったり、殴られたり…そういう類いの怖さではないのだが、小さい頃から『怖い人』というイメージだった。
一年に数日家に帰ってきて、会話も交わさずまた勤務地に戻る。
だから多分、今まで生きてきて、一般的な親子の1日分の会話もしたことが無いと思う。
無口、無表情、無反応。
子供ながらに、大人の感情に敏感だった自分は、話すのもいつしか怖くなった。

大切にされる姉や妹を見て劣等感を抱き、『要らない子』だと思った。
そうやって十何年、他人のような親子を続けてきたから、自分が一大決心した進路の話も、運動会や学芸会の時みたいに興味を持ってくれないと思った。

人に笑われる夢も見てきたから本気で怖かった。
一人で決める事も出来たけど、認めてほしかったから
高校三年生、願書を提出する少し前、自分は意を決して父親に電話をした。
想像通り、父は無言で心が折れそうになった。
(一人暮らしは怖い。ここで逃げ出してやっていけるのか。)
父に話しながら不安は募っていった。

『…好きにしろ』
突然、とても小さな低い声で父は言った。
認めてもらえなかった、そう思った。

『好きにして良い。もう人の顔色を伺って我慢する必要は無い』

何故か鼻の奥がツンとして、泣きそうになった。
あれになりたい、これになりたい。
沢山の色んな夢を見たけど、やっぱり自分は
少し怖いけど、そんな父のようになりたいと思った。

『…俺さ、父さんみたいになりたいんだ』
少し震えた声で言ったら
『…頑張れよ』
やっぱりその一言だけで、
でも自分にとっては何よりも重い言葉だった。

それだけの会話に費やした時間、二時間。
ほとんどが無言だった。

電話を切って、母親が箱を持ってきた。
中には、今まで父にプレゼントしてきた手紙や似顔絵、そして何故か小さな靴や歯まで入っていた。
その全てが自分の物だと分かった時に、姉や妹のように自分も大切にされていると気付いた。

不安はあったけど、きっと頑張れる
『頑張れよ』のありふれたエール
自分の心動かされた瞬間は、そこだった。

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